【プロ・投資家向け】眠れる資産が動く!所有者不明土地関連の法改正とビジネスへの影響

全国の土地の約24%、実に九州本島の面積に匹敵するとも言われる「所有者不明土地」。その主な原因は、相続登記の未了(61%)と住所変更登記の未了(35%)にあります。
この深刻な課題を解決すべく、令和5年から段階的に関連法規が大きく改正されています。我々不動産業者や投資家にとって、これは単なるルールの変更ではなく、これまで「権利関係が複雑」「隣地所有者が不明」という理由で塩漬けになっていた不動産が市場に流通する、またとないビジネスチャンスです。
実務に直結する3つの重要ポイントを解説します。
1. 共有物・相隣関係のルール変更:難あり物件の「出口」が広がる
投資家やデベロッパーにとって最大の朗報と言えるのが、令和5年4月1日に施行された民法等のルールの見直しです。
- 共有物の変更・売却が容易に これまで所在不明の共有者がいると身動きが取れませんでしたが、裁判所の決定を得ることで、他の共有者は不明な共有者の持分を取得したり、不動産全体を第三者に譲渡したりすることが可能になりました。また、全員の同意がなくても、持分の過半数で軽微な変更行為が可能になっています。
- 財産管理制度の創設 所有者不明や管理不全状態の土地・建物に対し、利害関係人が裁判所に申し立てることで「管理人」を選任できるようになりました。この管理人は、裁判所の許可を得れば対象不動産の売却等も行えるため、公共事業だけでなく民間取引の活性化に直結します。
- 相隣関係のルールの整備 隣地所有者が不明でも、ライフライン設備(導管等)の設置や使用の権利が明確化されました。また、越境した竹木の枝についても、所有者が不明な場合等は、越境された側の土地所有者が自ら切り取れる仕組みが整備されています。
💡【プロの視点】 権利関係の整理にかかるハードルが下がるため、訳ありの共有持分物件や、隣地トラブルを抱える底地などの仕入れ・再生事業において、より積極的なアプローチが可能になります。
2. 登記の「義務化」と罰則:市場への供給増のトリガー
これまでは任意だった登記が義務化されることで、所有者の明確化が進みます。
- 相続登記の義務化(令和6年4月1日施行) 不動産を相続で取得したことを知った日から「3年以内」の登記が義務付けられました。正当な理由なく違反した場合は10万円以下の過料の対象となります。令和6年4月1日より前に相続した未登記の不動産も対象となり、令和9年3月31日までの申請が必要です。
- 住所等変更登記の義務化(令和8年4月1日施行) 住所や氏名等の変更日から「2年以内」の登記が義務化され、違反時には5万円以下の過料の対象となります。
💡【プロの視点】 罰則を伴う義務化、特に過去の相続分への遡及適用により、「とりあえずそのままにしている」地主層が一斉に動き出すことが予想されます。不要な資産の売却相談が増加する絶好のタイミングであり、司法書士等と連携したワンストップ相談窓口の設置が有効です。
3. 相続土地国庫帰属制度:「負動産」処理の新たな選択肢
令和5年4月27日より、相続等で取得した土地の所有権を国庫に帰属させる(手放す)制度が創設されました。
- 厳しい引き取り要件 どんな土地でも国が引き取るわけではありません。建物がある土地、担保権が設定されている土地、土壌汚染がある土地、境界が明らかでない土地などは対象外となります。
- コストの発生 申請時の審査手数料(1筆当たり14,000円)に加え、承認された場合は10年分の土地管理費相当額(例:宅地や田畑で原則20万円〜)の負担金を納付する必要があります。
💡【プロの視点】 売却が極めて困難な地方の土地や山林等の処理において、クライアントへ提案できる有力な「出口戦略」の一つとなります。国に引き取ってもらう前提として建物の解体や測量が必要になるケースも多いため、解体業者や土地家屋調査士と組んだコンサルティング業務に商機があります。
まとめ:法改正を武器に、滞留不動産を動かそう
所有者不明土地に関する一連の法改正は、不動産市場における取引の透明性を高め、流動性を劇的に向上させるポテンシャルを秘めています。
株式会社ファンハウスでは、プロフェッショナルな私たちがこれらの制度をいち早く理解し、適切に活用することで、クライアントの課題解決を図るとともに、新たな収益機会を創出が可能になります。
『まる投げ競売不動産®コンサルティングサービス』をご利用いただいてるクライアント様におかれましては、新たなる収益機会を引き続きお伝えし続けてまいりますのでご期待ください。
株式会社ファンハウス 代表 國井義博

